りんご 特徴・剪定・育て方

これは色々な資料から得た内容を自分がわかり易いように、勝手に自分流にアレンジしております。

  1. 植えつけて2年目から収穫を楽しむ方法
    • 下垂誘引(かすいゆういん) と高密植栽培
  2. 肥料 の量と時期
  3. 実のつきかた
  4. 冬の剪定(落葉後 12~2月頃)
    「高密植栽培」の下垂誘引を参考
  5. 受粉(5月初旬)
    • 摘花(人工授粉で使えます)
  6. 摘果(6月下旬頃までには終わらせること)
  7. 夏の剪定(6~7月頃)

植えつけて2年目から収穫を楽しむ方法
下垂誘引(かすいゆういん)と高密植栽培

今までは「リンゴの栽培は難しい」「時間がかかる」と言われていました。

さらに幼木や若木には実をつけず、成木になるまで収穫をやめるのがリンゴ栽培の常識でした。

しかし現在は、植えつけて2年目から収穫を楽しむ「下垂誘引(かすいゆういん)」という方法が注目されています。

若いうちから実をつけると成長が抑えられ、狭い場所や鉢植えでもコンパクトに栽培が楽しめます。

リンゴ農園で実施されている「高密植栽培」が狭い庭での栽培に使えるようなので、我が家でも2023年7月に実施しました。

「高密植栽培」と「下垂誘引(かすいゆういん)」の方法

  1. 基本的に真ん中の幹を1本上に真っすぐ伸ばします
  2. 側枝は、5月頃に真下に向けて針金で引っ張るように固定します。
    5月頃は枝も柔らかいですが、かなり強引に曲げます。
     
  3. 5月頃に下垂誘引で固定した針金は、冬場に取り外しても枝に癖が付いているようですが、枝が広がる時は固定したままにします
  4. りんごの重みで実が地面に触れる事があるため、リンゴ農園では地面から80cmぐらいから出ている側枝は全て切り取るようです。
    我が家の狭い植木升の場合は50cmぐらいを目安にします。
    重みで下がる時はひもを使って枝を「吊り上げ」固定します
  5. 下向きに誘引した側枝の付け根から20cm以内に発生した枝は込み合う無駄な枝なのでカット
  6. 側枝が幹の半分以上の太さになった場合は、木の成長の妨げになる為、付け根からカット
  7. 幹から出ている枝が少ない時や、希望の場所から出したい時は芽傷を入れてやります
    • 2月下旬~3月上旬頃に行います
    • 新梢を出したい芽の上約5~10mm程の所に、芽傷を入れます
      ぶどうの参考画像です
       
    • ハサミの葉や鋸を使います。鋸の場合は軽く2回引く程度
    • 芽傷の深さは形成層に届く(緑の層が見える)くらいで、1~2mm程度です


我が家の植木升にリンゴを植え替えた時に実際に下垂誘引を試してみました。

2022年1月18日植え替えと同時に実施
(誘引には細い単線の電話線を使ってみました)


さらに2023年7月11日には「高密植栽培」の剪定方法に変更してみました。

下記画像は上の画像の「つがる」の剪定を変更したものです。

わかりやすく後にレジャーシートを広げています。

肥料

各果実の施肥の年間予定一覧表

庭植えの場合の施肥量です。鉢植えの場合は2~3握り位。

住宅地の真ん中なので、匂いが気になるので、魚骨粉入り完熟醗酵油粕を利用。

実のつきかた

異なる品種の花粉で受粉しないと実がつかない性質があります。

去年に短く延びた枝(2~3cm)や長く伸びた枝の先端に花芽が付き、今年花が咲いて実がつく。

りんごには「隔年結果性」があり、年ごとに成る量に差がでますので、人為的にならす量を調整すると毎年おいしいリンゴができます。

花は1箇所に数個集まって咲きます。1箇所に数個集まって咲く花の集まりを花房といいます。
花房の中の最初に咲く真ん中の花が実を大きくします。

りんごの新梢は7月上旬までにはほとんどが停止します。
新梢が停止すると来年の混合花芽形成が始まります。

混合花芽とは、外見上は1個に見える芽の中に花を咲かせる芽と葉をつけ枝として伸びる葉芽が一緒になっている芽のことです。

リンゴの混合花芽は大きいので、外観からみても花にならず葉や枝になる葉芽と区別がつきます。

花芽形成期に入ると今年の果実の肥大と来年の花芽形成のための養分との競合がはじまりますので、来年の花芽のためにも摘果作業は新梢が停止する時期までに仕上げることが大切です。

暖地では成熟期に気温が高いため、赤色系の品種は鮮やかな赤色にはなりません。
ただし味はおいしいので、赤くならなくても十分にリンゴの魅力を楽しめます。


(注意)

リンゴには「つがる」を筆頭に「ふじ」など、完熟少し前に実が落下する「収穫前落下」があります。
趣味の栽培で実の数が少ない時は、ネットを被せ落下してもネットで受けるようにするのが簡単です。

農家では落下防止剤を使用しています。

落下した果実もおいしいのですが、防止剤を使う方が無難です。ストッポール液剤、ヒオモン水溶剤などの落下防止剤が市販されています。

剪定(2 ~4月頃)

植え付けから3年目まではあまり剪定は行いません。

その年に短く延びた枝(2~3cm)や長く伸びた枝には先端に花芽が付くので、長く伸びた枝の先端を切り短果枝を多く出すようにします。

1年で2~3cmしか伸びない枝においしい実をつけますので絶対にこの枝の先端を切ってはいけません。

花が咲いてから、摘花・摘果して調整します。

強く剪定しすぎると切った枝の先端付近から太くて長い枝(強い枝)が2~3本勢いよく伸びだして、枝が旺盛に成長するだけで花芽が着きづらい状態を生じさせてしまいます。

樹全体のバランスを崩すような強い枝は基部(枝の分岐部)から切り取る間引きせん定を主に行います。
古くなった枝や、重なり合った枝も基部から剪定します。

立ち上がっている枝を下側に引っ張って、枝を水平や下方向に誘引してやると、枝の成長が抑えられて花芽がつきやすい状態をつくってあげることができます。

受粉(5月初旬)

リンゴの花の寿命は、4日〜5日と短く、受粉作業の時間が限られます。

異なる品種の花粉で受粉しないと実がつかない性質があるので、相性の良い品種の花粉を用意します。

  相互に受粉に適した品種例 つがる ←→ ふじ

リンゴの花は、5つから7つまとまってつきますが、最初に咲く真ん中の花が実を大きくします。この特徴を利用して、確実に実になってほしい真ん中の花をめがけて花粉をつけます。

人工受粉を行わないと真ん中の花が確実に結実せず、収量が確保できなくなってしまうので、毎年受粉作業が必要です。


摘花・摘果

真ん中の花が咲き、周りのつぼみが大きくなったり少し開いてきたら、真ん中の花以外は摘み取ります。

授粉の成功が気になる時は半分ぐらい残しておきますが、結実が確認出来たら真ん中の実以外は摘み取ります。真ん中の実が小さかったり変形している時は綺麗な実を残します。

アルプス乙女のように小さな実がなる品種は、花を2つぐらい残します。

その摘んだ花を集めて、花粉をとり受粉に使用すると便利です。


りんごの花粉の発芽能力は、室温では5日間くらいと短く、授粉作業の時間が限られます。

それ以上管理する場合にはシリカゲルなどの乾燥剤と一緒に密閉容器に入れれば、冷蔵庫で短期間保存できるようです。
長期保存(1年)する場合は冷凍庫を用い保管します。


摘み取った花やつぼみの雄しべの先にある葯(やく)から花粉が出ている必要があります。

しかし開花初日や低温の日は葯が開いておらず花粉が出て無いかもしれません。

我が家では、確実に授粉するために、花やつぼみから雄しべを採取し、室温で24時間ぐらい放置してから使用しています。

花粉を出す作業には、ヨーグルトメーカーを使ったり、ビニール袋に入れ、太陽光や車のダッシュボードに置いて温めてやる方法もあるようですが、面倒なので実施していません。

集めた花粉を、他の品種の花の授粉に使用します。異なる品種の開花時期が数日ずれても、つぼみの花粉からも花粉を採取出来るので心配ありません。

受粉作業には、100円ショップでも売っている耳かきのフワフワが便利です。

受粉時期に雨が降ると、受粉率が低下してしまうので、雄しべを採取して保温による花粉の採取が最良のようです。
雨が多そうなときは、雨よけの処置をするのも効果がありそうです。

摘果(6月下旬頃までには終わらせること)

下記説明の、花房とは1箇所に数個集まって咲く花の集まりをいいます。


結実後、摘果を2回に分けて行う。

1回目の摘果は結実が確認出来たら1花房の真ん中の実以外は摘み取ります。
傷が有ったり小さい時は、綺麗な別の実を残します。


2回目の摘果は果実がピンポン玉くらいの大きさになった頃に行う。

たとえば 4花房で1果とは、花の集まり4ヵ所分で1個の実と言うことになります。

2回目の摘果では

  • 大玉は、4花房で1果(葉40~60枚で1果)
  • 中玉は、3花房で1果(葉20~40枚で1果)
  • アルプス乙女は、1花房で2果を目安になるべく大きく形の良い中心果を残す

中心果が大きくなく弱い時は全て摘み取ると来年用の良い花芽となります。

今年実をつけた枝に出来る花芽には来年実をつけないようにする。
良い実が出来ない。

今年実をつけなかった枝に出来る花芽には来年実をつけると良い実がなる。

1年で2~3cmしか伸びない枝においしい実をつけるます。
ただしこのような枝には1年毎に実をつけるようにします。

この場合絶対に枝の先端を切ってはいけません。
花が咲いてから、摘花・摘果して調整します。

夏の剪定(6~7月頃)

枝の先端などから出た直立した徒長枝の先端や中間付近で切り戻します。

このとき、2~3芽残して剪定すると、冬には花芽が出ます。

枝が込み合っている部分は、根元から切ります。

株の内部の日当たりや、風通しが良くなるように剪定します。

切った後に再び出てくる芽は、早めに摘み取ってしまいます。