液晶 と 有機EL の 特徴比較

最近のスマホやTVには 液晶 と 有機EL が混在していますので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを整理してみました。

スマホ と テレビでは、消費電力のメリット・デメリットが逆転するようです。

液晶ディスプレイ とは

液晶ディスプレイでは、バックライトがカラーフィルターを通って発色します。

三色(赤/緑/青)のカラーフィルターの後ろから、ライトを当て、シャッターの開閉で、色・濃さを表現。

シャッターを閉じても光が漏れてぼんやりと明るくなり「完全な黒」の表現が難しい。

バックライトのお陰で、屋外では有機ELより画面が見やすいが消費電力は30%ほど大きくなります。

有機ELディスプレイ とは
  1. スマホで使用している有機ELは
    • バックライトとカラーフィルターを使用せず、有機EL素子が直接発光して発色する仕組みです
    • スマホのスペック表には「OLED」や「AMOLED」などと表記されることもあります
    • 映像の黒い部分は、完全に消灯します
    • 「ダークモード」や「ナイトモード」を使用すると低消費電力効果が大きくなります
  2. テレビで使用している有機ELの場合は
    • 白色に発光する有機ELパネルに、カラーフィルターと呼ばれる部品を組み合わせることでカラーの映像を映し出しています
    • このため輝度が30%以上低下するので、輝度を上げる必要があり、消費電力が大きくなっています
    • 有機ELテレビの消費電力は、13~14年前の液晶テレビと同程度です

有機ELディスプレイの メリット

液晶ディスプレイと比べた、有機ELディスプレイのメリット

  1. 薄くて軽い
    バックライトを使用しないので、スマホの場合、有機ELディスプレイは液晶と比べて薄くて軽い
  2. スマホの場合は、消費電力が少ない
    有機ELは有機EL素子が直接発光するので電力効率が30%ほど省エネ。
    バッテリーの持ちがよくなります
    (但し、テレビの場合は逆になります)
  3. フレキシブル
    有機ELディスプレイはフレキシブルなので、曲面や折り畳み式ディスプレイを作ることが出来ます
  4. 液晶よりも高画質
    特にコントラストがはっきりしている点と、黒色の発色が良い
    動画再生時に残像が残りにくい
  5. 視野角が広い
    液晶ディスプレイと比較し、有機ELディスプレイは視野角が広いため、正面から見ても横から見てもきれいな映像が映ります

有機ELディスプレイの デメリット

液晶ディスプレイと比べた、有機ELディスプレイのデメリット

  1. 価格が高い
    液晶ディスプレイに比べると、有機ELディスプレイは価格が高い傾向にあります
  2. 輝度が低い
    液晶ディスプレイはバックライトで強い光を使うため、輝度が高いが、有機ELディスプレイは、強い光が不要なので画面の輝度が低くなります。
  3. スマホの場合、屋外での直射日光下で見づらい
    バックライトを持たないため、最高輝度が液晶と比べて低い。
    画面をより明るく出来る方が太陽光下では見やすいので、最高輝度が明るい液晶の方が太陽光下での視認性が高い
    ドローンの操縦等、屋外で使用する時は、液晶タイプのスマホの方が有利な場合があります
  4. 有機ELテレビの場合は、消費電力が大きくなります
    年間消費電力量では液晶と比較し43%も上回り、「液晶テレビの方が省エネ」という状況です
    現在の有機ELテレビは白色に発光する有機ELパネルに、カラーフィルターと呼ばれる部品を組み合わせることでカラーの映像を映し出しています。このため輝度が30%以上低下するので、輝度を上げる必要があり、消費電力が大きくなっています
    13~14年前の液晶と同程度です
  5. 焼付きが起こる可能性がある
    焼付きは、長時間同じ画面のままにしていると、その画面の残像がいつまでも残ってしまう現象です。
    有機ELはその構造の関係で、焼き付きのリスクが高い。
    5年以上同じスマホを使う予定の場合、液晶ディスプレイを選んでおいた方が無難です
  6. 寿命が短い
    液晶ディスプレイと比べて有機ELディスプレイは寿命が短いとも言われています。
    有機ELディスプレイを搭載したテレビの寿命が10年との噂ですが、スマホの場合はもう少し短く、焼き付きを考えると、有機ELディスプレイの寿命は5年ぐらいと思っていた方が良いようです